砂型はけい砂を主体として造形する方法で、粘結剤によって粘土、ベントナイトを使う生砂型、乾燥砂型、水ガラスを用いる炭酸ガス型、熱硬化性樹脂を用いるシェル砂型、ウレタンやフェノ−ル樹脂、フラン樹脂などの有機樹脂と硬化剤を混合した自硬性砂型、硬化触媒としてトリエチルアミンあるいはSO2ガスを吹き込んで硬化させるコ−ルドボックス型がある。
砂型鋳物は金型鋳物に比べて機械的性質が低く、鋳肌、寸法精度も悪いが、鋳物の形状、大きさに制限されず、多品種少量生産で複雑な中子をもつ鋳物の製造に適している。一般には、大物の少量生産には炭酸ガス型、自硬性砂型が、小物で数量が多いものには生砂型、シェル砂型が適用される。鋳造可能な鋳物の最小肉厚は、合金の種類によって多少異なるが、3mm以上を必要とする。
鋳型が繰り返し使用できる金属製で、耐熱鋼あるいは鋳鉄で作製される。型の寿命は製品形状によるが、数千回〜2・3万回である。金型鋳造は中程度の多量生産方式で、砂中子を使えるので多少複雑な中子がある場合でもかなり大きな鋳物にも適用できる。
金型鋳造は鋳造組織が微細で、砂型鋳物に比べて欠陥が少なく、耐圧性がよく、強度も高い。鋳造装置には、金型を手動で開閉する簡単な装置から、油圧シリンダを用いた大型の自動装置があり、砂中子が使用され、金型を使う他の鋳造法である低圧鋳造やダイカストより鋳物の設計に自由度があり、生産性は高い。鋳造可能な鋳物の最小肉厚は、合金の種類によって多少異なるが、5mm以上を必要とする。
溶湯を圧入プランジャ−により高速(20〜60m/s)、高圧(30〜150N/mm2)で金型内へ射出、充填し急速に凝固させる鋳造方式である。薄肉鋳物の製造が可能で、最低肉厚は1mmである。寸法精度、鋳肌が優秀で、生産性が最も高い。装置及び金型が高価なため、生産数量が多くないと経済的でない。溶湯の射出速度が速く充填時間が約0.3sと短いため、金型キャビティ内の空気や反応ガスを巻き込みやすい。
したがって、ポロシティの発生を抑制することは難しく、加熱するとふくれが生じるため熱処理や溶接は行わないのが一般的である。これらの品質改善のため、射出速度を1m/s以下にする低速充填ダイカスト法、厚肉部での引けをなくすため時間差で2段加圧するアキュラッド法、時間差をつけて厚肉部を局部的に加圧する局部スクイズ法、金型内を減圧する真空ダイカスト法、金型内を酸素雰囲気にしてガスとしての巻き込みを防ぐPFダイカスト法などが開発され、ガス含有量が少なく、熱処理可能なダイカスト技術の開発が進んでいる。