ここでは簡単にアルミ鋳物を知っていただく為に、なるべく分かりやすく説明しています。
(分かりやすくするために実際の表現や使われ方とは少し違うところもあります)
鋳物とは? | アルミ合金鋳物の種類と特性 | アルモで鋳造している材質
アルミ合金の化学成分表 | 鋳物用アルミ合金の種類と特性
シェルモールド法の特徴(→利点 →欠点)
- (1)シェルモールド用レジンコーテッドサンド(以下RCS)は乾態である。
- 乾態のシェル用RCSは適切に貯蔵する限り無期限保存が可能なため、RCSを材料として購入でき、鋳物工場としてはRCS製造設備は必ずしも必要ではない。
乾態のRCSは流動性が極めて良く、金型へのRCSの充てんが容易で、複雑な形状でも容易に充てん・製造ができ、造型された鋳型の砂充てん密度が高く、滑らかな鋳はだが得られる。また、粘結剤が型に付着しにくく、型の清掃頻度が少なくてすむ。
- (2)鋳型強度が高い。
- 鋳型の長距離輸送が可能で、中小規模鋳物工場では中子造型専門工場から鋳型を購入することができ、造型機の設備が不要になる。また鋳物工場内において中子の搬送や主型へのセット時の破損が少ない。
鋳型強度とくに熱間強度が高いため、中空中子の肉厚を薄くすることができ、材料コストの節減、中子砂の生型砂への混入量低減など生型砂品質への影響が少ない。
- (3)鋳型の強度劣化がほとんどない
- 鋳型を適切に保存する限り湿度などによる強度劣化がほとんどなく、強度劣化による鋳型の廃棄がほぼなくなる。
- (4)中空中子の造形が容易である。
- シェル鋳型独特の反転排砂方式により中空中子の造型が容易である。特に、中空中子は鋳造後の崩壊性に優れる。
- (5)生型砂へのシェル中子の混入による影響が少ない。
- シェル中子の中空化が容易なことに加えて、熱による崩壊量がコールドボックス中子に比して少ないため生型砂への混入量が少なく、RCS自体も生砂型の品質に及ぼす影響が小さい。
- (6)生型再生砂へのRCSへの利用が容易である。
- 再生した生型余剰砂は、約800℃による流動焙焼法と骨材表面のスクラビングにより容易にRCS用骨材として利用できる。
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- (1)金型加熱が必要である。
- 熱硬化性樹脂を使用しているため、金型の高温加熱(約250℃〜350℃)が必要で、この加熱による欠点としては下記の事項が挙げられる。
- 安価な木型、樹脂型が使用できない
- 加熱のためのエネルギーが必要
- 高温加熱のために金型の変形が大きい
- 鋳型の加熱、冷却に伴う鋳型の変形と寸法不良
- 鋳型の「ばり」問題
- 金型の均一加熱が困難
- 金型の迅速交換が困難
- ブロー跡(ブローキャンドル)が残る
- 造型直後の鋳型が熱い
- 造型作業による熱疲労
- 機械及び金型の耐用年数が短い
- (2)コールドボックス鋳型に比較し造形速度がやや遅い。
- (3)反転排砂方式による中空中子造形時にシェルモールド法特有のビールバック問題が生じる。
- (4)注湯温度の低い軽合金鋳物での鋳型の法改正が不十分である。但し、中空中子であれば、崩壊性は他の造形法に比較して優れる。
- (5)造形時の臭気問題がある。
- 粘結剤がフェノール樹脂であるため造型時、注湯時に熱分解して不快なガスを発生させ、作業環境を悪くする。また、鋳造品においては、ガス発生による鋳造欠陥の発生がある。
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